2008年04月02日

「名ばかり管理職」指導を:厚生労働省が一斉に通達

asahi.com:「名ばかり管理職」指導を 厚労省が一斉通達 - 暮らし
十分な職務権限を持たないのに管理職とみなされ、残業代が支給されない「名ばかり管理職」の問題で、厚生労働省は1日、全国の労働局に、企業に対して適切な監督指導を行うよう一斉通達した。

労働基準法第41条によると監督若しくは管理の地位にある者(管理監督者)には、労働時間、休憩及び休日に関する労基法上の規定が適用されず、会社は残業代も休日手当も支払う必要がありません・・・ただし、深夜割増手当は支払い義務があります。

労基法は監督若しくは管理の地位にある者以外にも、農林水産業に従事する者、機密の事務を取り扱う者、監視又は断続的業務に従事する者等で、会社が労基署の許可を受けた者にも残業代の支払い義務を免除しています。

最近問題となっているのは、管理監督者の方です。経営者と一体的な立場にあり、出退勤が自由で労働時間を管理されない、管理職にふさわしい給与を得ている、の三つの要件を満たさないと労基署は管理監督者とみなしてくれません。

一体、この三つの基準はどこからきているのかというと、厚生労働省の通達です。労基法の条文に三つの要件が記載されているわけではなく、あくまでも厚生労働省の解釈なんですね。

先日もNHKスペシャルで「名ばかり管理職」を特集していましたが、入社して9ヶ月目で店長を任された若者やマクドナルドの店長は、管理職として残業代は消えたものの、経営者と一体的な立場になく、出退勤も管理され、管理職にふさわしい給与も受けていない、つまり上記三つの要件全てに当てはまりません。

とても管理監督者とは言えない実態を浮き彫りにしていました。

一方、ある自動車部品メーカーでは労働基準監督署の是正勧告を受け、課長職全員を管理監督者から外して残業代を支払わざるを得なくなり、会社はふくれあがった残業代を、なんとか抑えようと、課長と言えども残業を許可された時間以上できない仕組みにし、課長さんたちは仕事がやりづらくなって嘆いていました。

労基署も三つの要件をガチガチに適用するのではなく、その会社の実態に応じて指導すべきでは、などと思ったりしますが・・・・・・それは無理ですね

参考条文:労働基準法
(労働時間等に関する規定の適用除外)
第四十一条
 この章、第六章及び第六章の二で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次の各号の一に該当する労働者については適用しない。
 別表第一第六号(林業を除く。)又は第七号に掲げる事業に従事する者
 事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者
 監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの

労基署が取り締まりの基準としている解釈例規は以下をご参照ください。



 管理監督者の範囲についての解釈例規
[監督又は管理の地位にある者の範囲]
   法第41条第2号に定める「監督若しくは管理の地位にある者」とは、一般的には、部長、工場長等労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者の意であり、名称にとらわれず、実態に即して判断すべきものである。具体的な判断にあたつては、下記の考え方によられたい。


 
(1)  原則
 法に規定する労働時間、休憩、休日等の労働条件は、最低基準を定めたものであるから、この規制の枠を超えて労働させる場合には、法所定の割増賃金を支払うべきことは、すべての労働者に共通する基本原則であり、企業が人事管理上あるいは営業政策上の必要等から任命する職制上の役付者であればすべてが管理監督者として例外的取扱いが認められるものではないこと。
(2)  適用除外の趣旨
 これらの職制上の役付者のうち、労働時間、休憩、休日等に関する規制の枠を超えて活動することが要請されざるを得ない、重要な職務と責任を有し、現実の勤務態様も、労働時間等の規制になじまないような立場にある者に限つて管理監督者として法第41条による適用の除外が認められる趣旨であること。従つて、その範囲はその限りに、限定しなければならないものであること。
(3)  実態に基づく判断
 一般に、企業においては、職務の内容と権限等に応じた地位(以下「職位」という。)と、経験、能力等に基づく格付(以下「資格」という。)とによつて人事管理が行われている場合があるが、管理監督者の範囲を決めるに当たつては、かかる資格及び職位の名称にとらわれることなく、職務内容、責任と権限、勤務態様に着目する必要があること。
(4)  待遇に対する留意
 管理監督者であるかの判定に当たつては、上記のほか、賃金等の待遇面についても無視し得ないものであること。この場合、定期給与である基本給、役付手当等において、その地位にふさわしい待遇がなされているか否か、ボーナス等の一時金の支給率、その算定基礎賃金等についても役付者以外の一般労働者に比し優遇措置が講じられているか否か等について留意する必要があること。なお、一般労働者に比べ優遇措置が講じられているからといつて、実態のない役付者が管理監督者に含まれるものではないこと。
(5)  スタッフ職の取扱い
 法制定当時には、あまり見られなかつたいわゆるスタッフ職が、本社の企画、調査等の部門に多く配置されており、これらスタッフの企業内における処遇の程度によつては、管理監督者と同様に取扱い、法の規制外においても、これらの者の地位からして特に労働者の保護に欠けるおそれがないと考えられ、かつ、法が監督者のほかに、管理者も含めていることに着目して、一定の範囲の者については、同法第41条第2号該当者に含めて取扱うことが妥当であると考えられること。
(昭和22年9月13日付け発基17号、昭和63年3月14日付け基発150号)

[都市銀行等の場合]
   労基法上の管理監督者の範囲
 取締役等役員を兼務する者
 支店長、事務所長等事業場の長
 本部の部長等で経営者に直属する組織の長
 本部の課又はこれに準ずる組織の長
 大規模の支店又は事務所の部、課等の組織の長で一〜四の者と銀行内において同格以上に位置づけられている者
 一〜四と銀行内において同格以上に位置づけられている者であつて、一〜三の者及び五のうち一〜三の者と同格以上の位置づけをされている者を補佐し、かつその職務の全部若しくは相当部分を代行若しくは代決する権限を有するもの(次長、副部長等)
 一〜四と銀行内において同格以上に位置づけられている者であつて、経営上の重要事項に関する企画立案等の業務を担当するもの(スタッフ)
(注)
 (1) 四の本部の課は、部長−次長−課長という一般的な組織における課をいい、課という名称が用いられていてもこの基準の適用にあたつて適切でない場合には、実態に即して判定するものとする。
 (2) 課制をとつていない場合等、この基準の適用する職位がないときは、各職位の権限、責任、資格等により判定するものとする。
(昭和52年2月28日付け基発104号の2)

[都市銀行等以外の金融機関の場合]
   金融機関における資格、職位の名称は企業によつてさまざまであるが、取締役、理事等役員を兼務する者のほか、おおむね、次に掲げる職位にある者は、一般的には管理監督者の範囲に含めて差し支えないものと考えられること。
(1) 出先機関を統轄する中央機構(以下「本部」という。)の組織の長については次に掲げる者
 (1)  経営者に直属する部等の組織の長(部長等)
 (2)  相当数の出先機関を統轄するため権限分配を必要として設けられた課又はこれに準ずる組織の長(課長等)
 (3)  (1)〜(2)と同格以上に位置づけられている者であつて、(1)の者を補佐して、通常当該組織の業務を総括し、かつ、(1)の者が事故ある場合には、その職務の全部又は相当部分を代行又は代決する権限を有する者(副部長、部次長等)
 従つて、(2)の者の下位に属する、例えば副課長、課長補佐、課長代理等の職位は除外されるものであること。
(2) 支店、事務所等出先機関における組織の長については、次に掲げる者
 (4)  支店、事務所等出先機関の長(支店長、事務所長等)
 ただし、法の適用単位と認められないような小規模出先機関の長は除外される。
 (5)  大規模の支店又は事務所における部、課等の組織の長で、上記(1)(2)(4)の者と企業内において同格以上に位置づけられている者(本店営業部又は母店等における部長、課長等)
 従つて、(4)の者を補佐する者で(5)以外の者(次長、支店長代理等)は原則として除外されるものであること。ただし(4)の者に直属し、下位にある役付者(支店長代理、(5)に該当しない支店課長等)を指揮監督して、通常支店等の業務を総括し、かつ、その者が事故ある場合にはその職務の全部又は相当部分を代行又は代決する権限を有する者であつて、(1)(2)(4)と同格以上に位置づけられているものは含めることができること(副支店長、支店次長等)
(3) (1)〜(4)と企業内において同格以上に位置づけられている者であつて、経営上の重要な事項に関する企画、立案、調査等の業務を担当する者(いわゆるスタッフ職)
(注)
 (1) (2)の本部の課長等は、権限分配された職務を実質的に所掌する者であつて、その地位にふさわしい処遇をうけているものでなければならない。従つて、単なる人事処遇上の実質を伴わない課長等は除外するものである。
 (2) 支店次長等支店長の直近下位の職制管理者については、その職位にあるからといつて、支店長等の職務の全部又は相当部分を代行又は代決する権限を有するものとして取扱うものではなく、その代行、代決の権限が明らかなものに限られる。従つて、本来なら次長制を必要としないような規模の支店等に名目上の次長を置いたり、形式的に複数の次長を置く等、実質を伴わない補佐役は含まれないものである。
(昭和52年2月28日付け基発105号)

 管理監督者の深夜業についての解釈例規
[深夜労働に関する規定との関係]
   本条は第4章、第6章及び第6章の2で定める労働時間、休憩及び休日の規定を適用除外としているものであり、深夜業の関係規定(第37条の関係部分及び第61条の規定)は適用が排除されるものではない。
 したがつて、本条により労働時間等の適用除外を受ける者であつても、第37条に定める時間帯に労働させる場合は、深夜業の割増賃金を支払わなければならない。ただし、労働協約、就業規則その他によつて深夜業の割増賃金を含めて所定賃金が定められていることが明らかな場合には別に深夜業の割増賃金を支払う必要はない。
(昭和63年3月14日付け基発150号、平成11年3月31日付け基発168号)


jinji_news at 22:37コメント(0)トラックバック(0) この記事をクリップ!
労働基準法 

トラックバックURL

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星
 
 
 
労働新聞3ヵ月無料試し読み
労働新聞


経営・人事・労務に関する情報満載の週刊「 労働新聞」が今なら、3ヶ月間無料で試し読みできます。厚生労働関係の 助成金法改正の動向がいち早く手に入ります。
また、労使トラブル解決実例、労働判例、人事・賃金制度実例紹介、労務管理実務相談コーナーなど実務に役立つ内容が満載です。
更に購読契約していただくと、 モデル就業規則、各種社内規定、人事制度などの豊富な資料が送料のみで手に入ります。
企業経営者、人事・労務担当者、労働組合役員、社会保険労務士他人事・労務に関心のある方全てにお薦めできます。
▼まずはコチラから無料試読のお申し込みを!!
労働新聞3ヶ月間無料試読申込
Archives
QRコード
QRコード
訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

Profile