2008年07月23日
雇用・能力開発機構は廃止か?
7月23日(水)付日経新聞朝刊5面の記事によると、独立行政法人雇用・能力開発機構の存廃を検討している有識者会議(厚生労働省検討会議)は22日に中間報告をまとめました。
同報告によると、
精算、
民間に委託、
都道府県に移管、
現状のまま改革の四案を提示。
最後の「現状のまま改革」っていったいどうするつもりでしょうかねえ。
雇用・能力開発機構といえば嫌な思い出があります。もう10年近く前になるでしょうか。助成金が大盤振る舞いされ、ブームになっていた時期がありました。
書類を、当時飯田橋にあった雇用・能力開発機構に提出するのですが、一部?職員の態度が非常に悪かった。まるで、自分たちが助成金を支給してやるんだとでも思っているかのような・・・
申請書類の書き方は全く教えてもらえず、何度も書き直しを命じられ、キレそうになりました。
今ではそんなことはありません。職員も心を入れ替えたのか、とても親切で、申請書類の書き方も、詳細を記した小冊子がもらえます。
それでも、こんな団体廃止すべきでしょうね。
厚生労働省が組織を抜本見直し
政府が社会保障分野で緊急に取り組む対策をまとめた「5つの安心プラン」の原案が19日、明らかになった。
正式発表は7月末だそうですが、5つの安心プランは以下の通りです。
高齢化社会への対応(最低保障年金の創設検討、在職老齢年金制度の見直し、パートタイマーへの厚生年金適用)
医療体制の強化(医師数の増加、緊急医療体制の整備)
子育て支援(認可保育所の定員増加、育児休暇制度の拡充)
非正規労働者の支援(日雇い派遣の原則禁止、正社員化の促進制度)
厚生労働行政の信頼回復(厚生労働省設置法の改正検討、医系技官の配置見直し)
ただし、最低保障年金の財源確保には1兆円必要との試算もあり、どこまで実現できるか不透明です。
2008年07月18日
東京都就職チャレンジ支援事業、企業にも一人受け入れ60万円の助成金
東京都は8月から就職チャレンジ事業をスタートします。世帯の生計中心者であること、単身世帯は課税所得が年額50万円以下、扶養者がある世帯は生計中心者の課税所得が年額60万円以下であること、預貯金等資産の保有額が600万円以下であること等一定の条件を満たした希望者に職業訓練を実施、訓練中は受講奨励金(月額約15万円)が支給されます。
訓練修了生を正社員として6か月以上雇用した企業等に対しては、1人当たり60万円が助成されます。
詳細は以下をご参照ください。
東京都就職チャレンジ支援事業
中央労働基準監督署が9月1日に移転します
中央労働基準監督署が9月1日、現在の九段下から飯田橋合同庁舎に移転します。ハローワーク飯田橋と同じ建物です。1〜5階がハローワークです。
移転先は以下の通り。
〒112-8577 文京区後楽1-9-20 飯田橋合同庁舎内6〜7階
電話
6階
方面 03-5803-7381
安全衛生課 03-5803-7382
業務課 03-5803-7384
7階
労災課 03-5803-7383
移転のチラシは以下をご参照ください。
平成20年9月1日から中央労働基準監督署は移転します 【PDF:57KB】
最低賃金法の一部を改正する法律の施行について
厚生労働省は7月1日、都道府県労働局長宛に「最低賃金法の一部を改正する法律の施行について(平成20年7月1日基発第0701001号)」と題する通達を出しました。
主な内容は以下の通りです。
旧最低賃金法第1条では、業種別、職種別、地域別といった、最低賃金の多元的な決定方式を前提としていたが、今般、すべての労働者の賃金の最低額を保障する安全網としての第一義的な機能は地域別最低賃金が担うこと。
特定最低賃金については、地域別最低賃金の補完的役割を果たすものと位置づけたことに伴い、事業若しくは職業の種類又は地域に応じることとする部分を削除。
最低賃金額の表示単位について、旧法は時間、日、週又は月のほか、出来高又は業績の一定の単位によることとしていたが、新法では、賃金支払形態、所定労働時間等の異なる労働者間の公平の観点や就業形態の多様化への対応の観点、さらにはわかりやすさの観点から、最低賃金額の表示単位を時間に一本化。
旧法においては、使用者が都道府県労働局長の許可を受けたときは、試の使用期間中の者等一定の者について、最低賃金の適用を除外することができたが、従来、適用除外の許可に関しては附款を付して支払下限額を定め、その支払いを求める運用をしてきた。
新法では、使用者が都道府県労働局長の許可を受けたときは、当該最低賃金において定める最低賃金額から当該最低賃金額に労働能力その他の事情を考慮して厚生労働省令で定める率を乗じて得た額を減額した額により、最低賃金額を決定できることとした。(例)試みの使用期間中の者……100分の20
法律上、生活保護に係わる施策との整合性が明確化された点は、最低賃金は生活保護を下回らない水準となるよう配所するという趣旨であると解されるものであること。
特定最低賃金は地域別最低賃金を下回らないこと。厚生労働大臣又は都道府県労働局長は特定最低賃金が著しく不適当となった場合、職権で廃止できること。ただし、職権による廃止はしないこと。
派遣労働者に関しては、旧法においては派遣元の事業場に適用される最低賃金が適用されていたが、指揮命令を受けて業務に従事しているのは派遣先であることから、新法においては、派遣先の事業場に適用される最低賃金を適用することにしたこと。
労働協約に基づく地域別最低賃金を廃止したこと。
特定最低賃金については、最低賃金法の罰則の適用はないこと。
有期契約労働者の雇用管理の改善に関するガイドライン(素案):厚生労働省
厚生労働省はこのほど、「有期雇用労働者の雇用管理の改善に関する研究会報告書(素案)」に基づいて、「有期契約労働者の雇用管理の改善に関するガイドライン(素案)」をまとめました。
同研究会報告書が対象としているのは、「1週間の所定労働時間が通常の労働者と同一であり、かつ契約を数回更新しているような有期契約労働者」です。パートタイム労働法が支援対象としていない労働者のことで、パートタイム労働法第2条に定める短時間労働者は除外しています。
同ガイドラインでは、「労働基準法」「労働契約法」「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準(雇止め告示)」「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(パートタイム労働法)」「事業主が講ずべき短時間労働者の雇用管理の改善等に関する措置等についての指針(パート指針)」「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(育児・介護休業法)」等、法律、告示、指針等、労働契約の締結等に関して留意することを求めています。
また、キャリアパスへの配慮、教育訓練・能力開発の機会の付与も求めています。
詳細は以下をご参照ください。
[PDF] 有期契約労働者の雇用管理の改善に関するガイドライン(素案)(概要版)
[PDF] 有期契約労働者の雇用管理の改善に関するガイドライン(素案)
2008年07月17日
有期契約労働者の雇用管理の改善に関する研究会報告書(案):厚生労働省
厚生労働省はこのほど、「有期契約労働者の雇用管理の改善に関する研究会報告書(案)」をまとめました。
同研究会報告書が対象としているのは、「1週間の所定労働時間が通常の労働者と同一であり、かつ契約を数回更新しているような有期契約労働者」です。パートタイム労働法が支援対象としていない労働者のことで、パートタイム労働法第2条に定める短時間労働者は除外しています。
研究会報告書によると、非正規労働者の増加は雇用が不安定、職業能力の蓄積がなされない等の問題があり、中長期的には競争力・生産性の低下、不安定就労の増大やや社会保障システムの脆弱化等の諸問題を引き起こす恐れがあります。
そこで、厚生労働省は平成20年2月より研究会を開催し、パートタイム労働法が支援対象としていない有期契約労働者の雇用管理の改善が図られるよう、事業主が講ずべき事項や配慮すべき取組をガイドラインとして示すことを目的として、検討を行いました。
1週間の所定労働時間が通常の労働者と同一な有期契約労働者の数は、推計で約309万人(契約社員約99万人、職端社員約64万人、フルタイムパート約146万人)とされています。
現状
1回当たりの契約期間が1年以内とする事業所が約8割、契約更新回数は6回以上の割合が高く、勤続年数は半数以上が3年超となっている。
課題
必要以上に短い契約期間を定めることにより反復更新することのないように配所するという労働契約法第17条第2項の趣旨・内容を周知し、遵守に向けた事業主の取組を促すことが有意義と思われる。
現状
契約更新を希望する人の割合は5割以上で、今後継続勤務したい期間も5年超の割合が高い一方、現状に対する不安・不満では「雇用が不安定」との回答が多い。
課題
できるだけ契約期間の長期化を促すことや、契約更新に関する条件が明示されていること、正社員登用の機会を設けることが、労働者にとって安心感につながり、ひいては、生産性の向上に寄与できるので有意義ではないかと思われる。
契約更新については、「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」(雇止め告示)の規定の遵守徹底、及び好事例の収集、普及を図ることが労働者にとって安心感につながり、企業もノウハウを共有でき、有意義ではないかと思われる。
その他の現状には、企業が人件費を節約策として、有期契約労働者を雇用しているため、退職金、賞与、昇進・昇格、各種手当がなく、賃金が低い、評価制度がない、就業規則に有期契約労働者の育児休業に関する規定を設けている事業所が半数に満たない、正社員登用機会がない等が挙げられています。
詳細は以下をご参照ください。
[PDF] 有期契約労働者の雇用管理の改善に関する研究会報告書(素案)(概要版)
[PDF] 有期契約労働者の雇用管理の改善に関する研究会報告書(骨子)(素案)
2008年07月16日
政府管掌健康保険、被扶養者の特定健康審査について
政府管掌健康保険では、被扶養者の方を対象に、平成20年度からメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に着目した「特定健康診査」を実施しています。
平成19年度までは各区市町村が行う健診を受診していた被扶養者も、政府管掌健康保険の「特定健康診査」を受診することになります。
特定健康診査とはメタボリックシンドロームに着目した検診のことです。特定健診以外のがん検診や骨粗しょう症検診等は、これまでどおり、各区市町村が行います。
特定健康診査の対象者は、政府管掌健康保険の被扶養者で、40歳〜74歳の方です。
被扶養後期高齢者、保険料負担9割軽減は来年度も継続
与党は15日、高齢者医療制度に関するプロジェクトチーム(鈴木俊一座長)を開き、会社員の子供に扶養される75歳以上の後期高齢者について、保険料負担の9割軽減を2009年度も続ける方針を確認した。
会社員として働いている子供などに扶養されていた後期高齢者は、今年の4月1日から扶養家族から外れて、自分自身で健康保険料を支払わなければならなくなりました・・・・・・日経新聞の記事によると現在でも扶養されているかのような書き方ですが、これは間違いです。もっとも、所得税法上は扶養家族のままですが。
10月からは後期高齢者自身で健康保険料を負担することになっていますが、平成21年3月末までは9割軽減、平成21年4月から22年3月末までは5割軽減することになっていました。
ところが、結局22年3月末まで9割軽減を続けることになりました。そして、現役並みの所得がない70〜74歳の医療費の窓口負担を1割から2割に来年度から引き上げる予定でしたが、これまた凍結。いつまで凍結するかは現在のところ不明。
選挙を意識しての先送りでしょうか。基礎年金の国庫負担分の引き上げも、消費税の引き上げも先送り、お年寄りに媚びを売る先送りに次ぐ先送りで、ツケはどんどん次の世代に回されます。
2008年07月13日
「名ばかり管理職通達への憂慮」について
ビジネス法務2008年8月号に石嵜信憲・上屋真也両弁護士が連名で、「名ばかり管理職通達への憂慮」と題する一文を載せています。
平成20年4月1日付で、厚生労働省労働基準局監督課長名で都道府県労働局長宛に出された通達「管理監督者の範囲の適正化について」(基監発第0401001号)を批判しています。
先のマクドナルド判決は、あくまでも民事に関する未確定の判決(高裁に控訴されています)であるにもかかわらず、上記のような通達を発し、さらに同判決への世論の反響を利用して、労働基準法本来の規定を無視した行政指導を行うことは労働刑法である労働基準法の運用のあり方として妥当とは言い難いということ。
我が国では、「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。(憲法31条)」と罪刑法定主義が規定され、その派生原則として、刑罰の適用範囲を広げる類推解釈は禁止されています。行政指導に関しても、刑事罰を背景としている以上、類推解釈が禁止されるべきものです。
そもそも労働基準法立法の段階では「監督の地位にある者」と「管理の地位にある者」とは別扱いされていた(条文上「監督若しくは管理」と規定されていることからも当然です)にもかかわらず、通達が管理監督者として、一緒くたにしているのはおかしいということ。
立法段階では賃金面の基準を明確に否定していたにもかかわらず、昭和63年に突如として出された「賃金等の待遇面においても無視し得ない」と立法意思を無視した通達は妥当ではないということ。
労働基準法の適用範囲は事業場単位であるので、経営者との一体性については事務所・事業所単位での一体性があれば足り、経営全体との一体性など求めるべきではないということ。
昭和22年、63年に出された通達が示す解釈は、立法意思及び労働基準法の文言以上に「監督若しくは管理の地位にある者」の範囲を限定したもので、行政指導も、この通達に従って行われてきました。
通達が示してきた解釈は、労働基準法37条(割増賃金)違反などによる可罰範囲を拡大するものであり、罪刑法定主義の観点からして間違ったものであると言わざるを得ない、としています。
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